湯活のススメ

温泉・銭湯・サウナ・岩盤浴等の温浴施設の楽しみ方

湯活の楽しみ方③ サウナ編

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温泉や銭湯マニアに比較してサウナマニアの数はそこまで多くはないと思いますが、サウナー(サウナマニアの通称)から溢れ出るサウナ愛は、温泉マニアや銭湯マニアを凌駕するものがあります。
それだけサウナは奥が深くその心地よさもよりディープなものと言えます。

今回サウナ・スパプロフェッショナルを取得した私から、サ道(サウナを極める道)について少し触れてみたく存じます。

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1.水分補給すべし

サウナ・水風呂は、新陳代謝を高めて老廃物・不純物とおさらばし、心身ともに健康になるのが本旨です。
準備を怠ったり、深酒して利用したり、我慢し過ぎたりすると、脱水症状、熱中症で逆に身体を壊します。
準備はぬかりなく、水分補給は事前、途中、事後と念入りに行いましょう!

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↑写真はサウナ―御用達ドリンク「オロポ」(オロナミンC+ポカリスエット)です。

 

2.体を清潔に(お清め)

サウナは皆が使う公共の施設です。
洗髪、ボディー洗いでまずは身体を清めましょう。

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3.下茹で

お清め後は湯船でしっかり温まりましょう。温泉や銭湯、スーパー銭湯にサウナが付帯している場合、むしろ温浴ゾーンがメインディッシュだったりしますので、湯巡りしないとむしろ損です。サウナ専門施設にも湯船があるケースがほとんどです。

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サウナ前に湯に浸かりリラックスする事で、サウナ後に❝ととのい❞*1やすくなりますし、体幹が十分温まっていれば、それだけ発汗もスムーズですので、爽快なサウナ浴が楽しめます。

 

4.水通し

サウナ前に水風呂に浸かる事を水通しと言います。
湯通しと矛盾するようですが、水通しは皮膚を引き締め、魔法瓶のように深部体温を逃がさない効果があり、適度にクールダウンする事で、火照りを抑えじっくりサウナ浴と取り組めるようになります。タップリ時間がある時や、逆に余り時間が無く、1セットや2セットで切り上げなければならない時には、1セット目からじっくりサウナ浴を楽しめる水通しはお勧めです。但し、この場合も過ぎたるは及ばざるがごとしで、冷え過ぎると効果的な発汗を抑制しますので、湯通しの火照りを抑え、もうちょっと入れるかもというタイミングで切り上げるのがポイントです。
私の場合、最初水風呂に浸かるところまではいかなくても、手桶で頭から数杯水を被り、簡易水通しを行ってサウナ室へ行くケースがほとんどです。

 

5.即席サウナハットを用意せよ

[SAUNA HAT GUSS] サウナハット(スカイブルー)

[SAUNA HAT GUSS] サウナハット(スカイブルー)

後述しますが、サウナは上層部ほど暑いので、足元よりは頭や顔の方が暑いです。
写真のようなサウナハットがあれば、それを被って頭を守りましょう。
無ければ水風呂の水を手桶で汲み、タオルを浸して即席の冷しぼを用意しましょう。
これをターバンのように頭に巻けば即席サウナハットの完成です。
目元や吸う息も暑いので、それでも暑ければ顔を軽く覆うと暑さはかなり緩和されます。

 

6.体の水滴をよく拭き取りましょう

サウナへ入る前に、まず体の表面に付いた水滴をよく拭き取りましょう!
これは、サウナ室をビショビショにしないマナーの問題もありますが、体表に水滴が付いたままだと、先にそちらの水滴が蒸発し、発汗が遅れる為、体温調節機能が上手く機能せず、のぼせるばかりになってしまうからです。

 

7.低温から高温へ

サウナにも色々種類があります。迷ってしまいそうですが、そんな時は、身体を慣らす為にも低温サウナから徐々に高温サウナへ移動してみましょう。

※サウナ施設いろいろについては、以下のレポートをご覧ください↓

yukatsu.hatenablog.com

幾つか種類があるとき、私の場合は塩サウナ>ミストサウナ>低温サウナ>高温サウナと移動していきます。
塩サウナは温度だけでなく塩の持つ浸透率の効果で効率よく発汗を促します。
ミストサウナはアロマの薫りが炊き込んである事が多く、温度もそれほど高くなく深いリラックス効果が得られます。
いよいよドライサウナへ移動です。
低温サウナから高温サウナへ。
下段から上段へ。
サウナは上部に行くほど熱気が溜まっていますから、ひな壇のようになっている場合、1段上がるごとに体感で10℃。
3段のひな壇の1段目と3段目では約20℃の体感温度差が生じます。
最初から無理をすると熱中症やヒートショックを起こすリスクも高いです。
サウナルームの滞在時間も最初から長時間頑張るよりは、最初は軽めに、慣れてきたら徐々に長めに入りましょう
そうする事で身体の準備も整い、発汗しやすい環境になり、心地よくサウナタイムが過ごせます。

 

8.ロウリュ(Loyly)

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サウナルームへ入るとアロマ水が置いてあることがあります。
アロマストーンにラドル*2でこのアロマ水を掛けて蒸気を発生させることをセルフロウリュと呼びます。
ロウリュというのはフィンランド語で「蒸気」を意味します。
不思議な事に水を掛けるのに、サウナルームの室温は一気に上昇します。
これは空気と水の熱伝導率の違いによるものです。
私も物理は詳しくありませんが、空気と水の熱伝導率の違いは以下の通りです。

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空気と水の熱伝導率

水は空気より20倍も熱伝導率が高いんですね。
これによりロウリュで発生した蒸気は効率よく室内の熱気を高め、体表で結露する事で蒸気の熱をダイレクトに体に伝えます。
より高い発汗効果、アロマの香りによる深いリラックス効果を得たい方は是非お試しください

*注1 ロウリュ出来るのは、サウナストーンによるストーブでかつ施設が水桶を用意した場合のみです。
   サウナストーブにはヒーターの物もあり、こちらは水を掛けると故障します><
*注2 ロウリュは周りに断って行いましょう。中にはロウリュが苦手な人がいる場合も・・・

※コチラはセルフロウリュの出来るサウナ施設の一例です↓

yukatsu.hatenablog.com

yukatsu.hatenablog.com

 

9.アウフグース(AUFGUSS)

アウフグースというのはドイツ語で「演じる」の意味です。
サウナ施設でよくいうロウリュはこのアウフグースである場合が多いです。
アウフグースでは熱波師という方がサウナストーブにロウリュした上で、タオル等でその蒸気をサウナ―に仰いでくれる為、文字通り熱波を全身で感じられます
有名な熱波師もいらっしゃり、それぞれ独自のスタイルやタオル捌きを見られるのもアウフグースの楽しみの一つです。
※コチラは私のアウフグース体験の一例です↓

yukatsu.hatenablog.com

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ちなみにヨーロッパでは、アウフグース世界選手権なども開催されており、タオルやフラッグによる圧倒的な風裁き、光と蒸気の演出を見る事が出来ます。一度現地で本場のパフォーマンスも見てみたいですね。


Aufguss WM 2017


Masters of FreeStyle Aufguss

 

10.ウィスキング

これは最近日本にも入ってきたサウナサービスで、発祥はロシアです。

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ヴィヒタ


ウィスキングはヴィヒタという白樺の若枝を束ねたもので、体中を叩いたり撫でたり、擦ったり、末端の手足を包み込んだりして血行を促進し、独特の温まりやヒーリング効果が得られます。
ヴィヒタから発する森の薫りに包まれ、体表だけでなく体の芯から温まる感覚は、得も言われぬ陶酔感で、まさしく蕩けるような感覚に浸れます。
※コチラは私がウィスキング体験をした際のレポートです↓

yukatsu.hatenablog.comマッサージ同様マンツーマンのサービスなので、手が掛かりますが、是非定着して欲しいサービスです。

 

11.ヒートショックプロテイン

サウナでは熱気・発汗を楽しめますが、ヒートショックプロテイン(HPS=熱ショックたんぱく質)を育て免疫力を高める効果もあります。
HPSは温度にもよりますが、10~20分温浴やサウナルームの環境に身を置き、深部体温を1~2℃上げることで作り出すことが出来ます。
その意味でも、高温サウナにいきなり入って1~2分で出て来てもHPSは出来ませんし、我慢し過ぎて倒れても逆効果です。
自分に合った温度で心地よい発汗を心掛けるようにしましょう!
自分の感覚では、その日の体調やサウナ室のコンディションにもよりますが、3~5
分程度で発汗が始まり、しばらくは体温調節機能が働き、体温が一定に維持されます。その後サウナの遠赤外線の長波長の熱が体の深部まで達し、四肢の末端まで温まって来るのを感じたら出頃かなと感じています。
ヒートショックプロテイン(HPS)を鍛える事で以下のような効果が得られます。

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ヒートショックプロテインの効果

※コチラは温冷交互浴や湯活の効能についてのレポートです。併せてどうぞ↓

yukatsu.hatenablog.com

 

12.サウナの入室時間

サウナにどの程度の時間入るかという話は、良く出る話題ではありますが、サウナ施設や設備の性能やコンディションにもよりますし、その日の体調にもより、一概には言えませんが、私の場合は概ね以下の通りです。

・1セット目 3~5分(先に水通ししている場合は最初から7~10分の時も)
・2セット目 7~10分
・3セット目 10~12分

時間は目安ですので、諸条件で変化します。
逆にどんなに長くても1回で15分以上は入らないようにしています。
むしろ物理的な時間より、以下の体感が退出の目安になるかも知れません。

・1セット目 大粒の汗が出て来て、手足の先から滴ってきたタイミング
・2セット目以降 3~5分経過で、全身に霧吹きで吹いたような細かい汗がビッシリ付きます。(実は発汗は、体温を下げる人体に備わった体温のセルフ調整機能ですので、逆に表皮の火照った感じがしばらくの間少し和らぎます)更に発汗が進み、大粒の汗が、手足の先から滴ってくるタイミング。

サウナの熱は、紫外線と異なり、皮膚表面を焼く短波長ではなく、体の深部まで届く長波長の遠赤外線ですので、表面がカッと火照っても、脳がシグナルを受け取って全身(特に四肢)から発汗が始まるまでは、十分に体の芯までサウナの熱が入っていません。体の芯に十分熱が入ると脳が体温を下げようとして、まずは位置的に上部にあり、血管が集中する顔、頭部、次に背中や肩、最後に手足の先からも汗が出始めると十分体の芯まで熱が届き、深部体温が高まった証です。ここまで来れば、前条のヒートショックプロテインが鍛えられている状態と言えると思います。
各位体質やコンディションは異なりますし、決して無理して熱中症や脱水症状になる事のないよう気を付けながら、自身の体と心の声に耳を傾けサウナ浴を楽しみましょう。何度か入る内に、自ずと自分のタイミングというものは分かってくるものです。

 

13.水風呂は厳かに頂くべし

手桶で足先から徐々に水浴びをして、そっと水風呂に体を沈め、しばらくすると、表皮周辺の水が体温で温められて不思議な心地よさが得られます。
某有名サウナ―Fさんは、これを「天使の羽衣」と表現していましたw
そこでしばしじっとしていると、宇宙と一つに溶けているような不思議な感覚になります。サウナ―の中には、これこそご馳走という人もいる位です。

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水風呂にザブンと入ると、心臓麻痺を起こすリスクもありますし、水面が揺れて入っている人や後から入る人がこの「天使の羽衣」を身につけることが出来ません。
水風呂の極意は、“静かなるごと林のごとし”です。
後、水風呂はクールダウンする為に入ると思われる方がほとんどかと思われますが、水通しの項でも紹介したように、適切に入ると深部体温の熱を維持する働きもあります。ですので、水風呂後、むしろ体がポカポカする感じになるケースが多いかと思います。しかしこれも程度問題で、やはり水風呂に長く入り過ぎると逆に深部体温まで冷やして低体温症になりますので、水温や直前のサウナ室の温度、体調など、その日のコンディションにもよりますが、目安は30秒~2分程度と心掛けましょう。
水風呂がぬるいと感じる場合は、周りの入浴客にご迷惑を掛けない程度にそっと手足を動かす事で体表で水温が温まるのを防ぐ程度はアリです。それでもぬるい場合は、思い切って水シャワーに切り替えましょう。頭から浴びれば気分爽快です!
※逆に冷たすぎる場合は、手足を水の上に出すと少しゆっくり入れたりします。手足の末端は末梢神経が集中し、温度を敏感に察知しますので、手足の先を水から出して、少しゆっくり浸かれれば、体幹は十分クールダウンされます。

 

14.外気浴で悟りの境地へ

十分にサウナ⇔水風呂ツアーを楽しんだら、最後は外気浴です。
新陳代謝の高まった状態から外気に触れることで、温冷両極端に振れた交感神経が副交感神経の働きで徐々に通常の状態に戻っていきます。
これは人間の持つホメオスタシス(恒常性)の作用ですが、私はこの過程でいわゆる❝ととのう❞状態がやってくるように思います。
ヒートショックプロテインを鍛え、免疫力を高め、最後に人体の大いなる叡智ホメオスタシスのパワーを感じる事で、心身ともに悟りを開いた境地に至ります。

※内容かなり被ってますが、よろしければコチラも合わせてご覧くださいw↓

yukatsu.hatenablog.com

 

15.サウナのマナー

サウナのマナーについてもまとめておこうと思いましたが、以下のサイトでのマナー紹介が素晴らし過ぎるので、こちらをご覧頂ければ、私から何も申し上げる事はございません。

sauna-hacker.com

 

いかがでしょうか?
私の拙いブログからサウナの持つ深い魅力が少しでも伝われば幸いです。
興味を持たれた方は、是非サウナへ出掛けてみては?

※コチラはその他のジャンルの湯活の楽しみ方です。併せてどうぞ↓

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*1:「ととのう」とは「サ道」作者のタナカカツキ氏の造語で、サウナ⇒水風呂⇒休憩のルーティンにより、揺れ動く交感神経と副交感神経をホメオスタシス(恒常性)で正常に戻す過程で訪れる浮遊感、多幸感。サウナトランスとも言われている

*2:アロマ水を掬う柄杓の事