湯活のススメ

温泉・銭湯・サウナ・岩盤浴等の温浴施設の楽しみ方

湯活の楽しみ方② 温泉・銭湯編

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湯活の楽しみ方は人それぞれですが、今回は私流の楽しみ方をご紹介します。

1.事前準備

事前に水分を軽く摂取(脱水症状予防
浴室に入り、まずは掛け湯をして湯馴らしし、サッと洗髪・身体を洗い流します。
これを宗教用語では沐浴といい、「沐」は髪、「浴」は体を洗う事を意味し、元は禊(身削ぎ)とも言いました。体の汚れを洗い落とす浄化と、世俗のあれこれを洗い流す清めの意味もあります。また毛穴や汗腺の汚れを落とす事で、温泉や薬湯の成分を取り込みやすくしたり、サウナで発汗しやすくする効果も見逃してはなりません。

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2.全体観察

浴室全体を順番に一巡り。
温泉・銭湯といっても沢山種類があります。
詳細は以下のレポートも併せてご参照ください。

yukatsu.hatenablog.com

その施設にどういう温浴施設があるかを把握し、どう湯巡りするかまずシュミレーションします。こうする事で、折角出掛けたのに巡り忘れを防ぐ事が出来ます。

 

3.湯巡り

私の場合、上記浴槽が全てあると仮定すると、以下のように巡ります。
①白湯でその施設の湯触りを確認
②屋内各温浴施設を一巡り
③露天温浴各施設を一巡り
④サウナ⇔水風呂を3セット(セット数や分数は同行者やその日の体調・気分による)
 場合によって途中で水分補給や外気浴を挟む場合も。
⑤〆にお気に入りの湯に浸かる(私の場合温泉か、高濃度炭酸泉だと尚良し)
 ・温泉は温泉成分を十分に取り込む為
 ・高濃度炭酸泉等は、炭酸泉の温浴効果を最大限全身に染み渡らせる為
 この一連のルーティーンをこなす事で、発汗⇒水風呂で皮膚の引き締め⇒好みの湯で毛穴や汗腺を開かせ、全身に湯の成分を染み渡らせることが出来ます。
 やってみるとお分かり頂けると存じますが、最初入湯したときより、体の抹消の毛細血管が脈打ち、全身でジーンとそのお湯の効果を実感出来ると思います。
⑥温泉の場合はそのまま、そうでない場合は軽くシャワーで洗い流してから、脱衣所に行く前に良く水気を拭きとってから上がります。
 温泉の場合は温泉成分が皮膚から吸収される為、洗い流さず軽く拭き取るのが正解です。但し強酸性の場合は、そのままにしておくと炎症を起こす可能性がある為、軽く流すのが良いでしょう。また強アルカリ性の場合は、古い角質を落として肌を滑らかにしますが、湯上り後、保湿をお進めします。
 温泉でない場合は、各位の好みの問題ですが、私はシャワーでサッと洗い流すようにしています。
※注 温浴施設の種類やその時の混雑状況、気分により①⑥以外の順番は前後する場合があります。

 

4.温泉のこだわり

「湯活のススメ」管理人は、温泉ソムリエマスターですので、温泉にはそれなりにこだわりがあります。ここではその中から三つをご紹介します。

 ①鮮度のこだわり

温泉というには、地球の恵みです。鮮度が高いというのは、2つの意味があります。

・地中から出て間もない状態(酸化が進んでいない状態)
・出来る限り加工されていない状態(加水・加温・循環・消毒無し)

温泉マニアの間で足元湧出泉*1や生源泉、野湯等が珍重されるのは、酸化が進んでいない、地球の恵みそのままのフレッシュな状態だからです。成分の濃い温泉や、この酸化前のフレッシュな源泉を、湯力のある温泉と呼んだりもします。
また、人の手による加工が入っていないという意味で、無加水、無加温、かけ流し、未消毒、全て合わせると源泉かけ流しとなり、こちらも温泉マニアには垂涎の湯となります。しかし、これらは非常に貴重かつ希少です。何故なら地球の恵みであるが故に、湧出する泉温は水道水より冷たい冷鉱泉から100℃で煮え返る熱泉まで様々で、当然そのままでは浸かれないケースも多々ある為です。その為に、出来る限り自然に近い源泉を届ける工夫も数々編み出されています。

【湯畑・草津温泉】
こちらは高温の源泉を、湯樋を流す過程で自然冷却し配湯する仕組みです。

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【湯雨竹・別府】
こちらは竹の小枝で作った数段の屋根の上を高温の源泉が流下する過程で、気化熱で減温し適温にする仕組み。上部は高温湯でもうもうと湯けむりが上がっています。

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これらの源泉かけ流しや足元湧出泉に浸かれるのは貴重ですが、そうでない場合も、基本的には湯口近辺が一番フレッシュな源泉に近いですから、私の場合、源泉を投入している湯口を探して、出来るだけその近くでフレッシュな源泉に触れるようにしています。但し!源泉が高温で広い浴槽にチョロチョロと注ぐ事で湯温調整している場合もあり、その場合、湯口に近づき過ぎると火傷しますので、事前情報が無い場合は、そろそろと湯口に近づいて、自分が一番心地よいと感じる場所が、その人にとってのベストポジションだと思います。

 ②エイジングのこだわり

上記の鮮度と矛盾しますが、温泉には酸化による劣化の過程を楽しむというこだわりもあります。俗にモール泉と言われる黒湯は、古代海水に含まれる石油化前のミネラルを含んだ植物質等が含まれる為、透明度のある茶褐色~墨汁のような黒湯まで色の濃度は様々ですが、湧出時から元々色がついています。これに対し、その他の色付きの温泉というのは、そのほとんどが湧出時は無色透明で、その含まれる成分や濃度、泉温や空気に触れて酸化する過程で発色し、陽の光の加減などの要素にもより、白、黄色、オレンジ、赤、緑、青、茶と様々な色合いを呈します。
この色の変化、お湯のエイジングを楽しむのも温泉ならではといえます。

※温泉の色については、以下レポートの4.温泉の色をご参照ください↓

yukatsu.hatenablog.com

 ③飲泉

温泉場に飲泉所がある場合があります。その場合、私は必ずコップ1杯程度頂く事にしています。実は公式に飲泉出来る温泉というのは限られていて、ポンプ等を使わない自然湧出で、保健所の飲泉許可を得た物だけが公式に飲める温泉として許可されるのです。昨今の温泉は技術の進歩もあり、大深度掘削と言って、温泉源まで地下1,000~2,000m掘って提供しているケースが多いのですが、そうなると流石に自然湧出とはいかず、動力揚湯となる為、公式には保健所の許可が下りないのです。但し、この許可制度自体も、近世に出来た物ですので、それ以前から飲泉所として提供されているケースや、実際には問題なく飲めるから提供しているケースもあります。

※こちらは温泉の許認可についてもまとめたレポートです。併せてご参照ください↓

yukatsu.hatenablog.com

いずれにせよ、飲泉出来る温泉は貴重ですから、巡り合ったら温泉分析書(別表)をよく読んで、禁忌症等に当たらなければ、飲んでみると良いと思います。

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但し、飲泉という行為は、水道水や普通の井戸水と異なり、源泉に含まれる天然ガスや鉱物成分を飲むという意味で漢方薬の服用に近いです。ですので、お口に合うかどうかは保証しかねます。二酸化炭素線のようにシュワシュワと天然のサイダーのような味覚の物もありますが、多くは苦みや収斂味(渋み・えぐみと言っても良いかも知れません)、塩味、酸味、鉄錆臭等を感じるケースが多く、中には「この世の物とは思えない!」とまで言われる温泉もあったりします。飲み過ぎるとお腹を下すケースもあるそうですから、せいぜい掌で掬って数杯とか、コップ1杯程度にしておくのが無難かと思います。正しく飲むとそれぞれの成分による効果もあり、健胃・整腸作用、二日酔いや胃もたれ防止、食欲増進等に効き目があるケースがあります。

 

5.湯上り

着替え、ドライヤーで髪を乾かした後、休憩コーナーで水分補給。
こうする事で湯疲れ、脱水症状を予防すると同時に、本日の湯の余韻を楽しみます。
この余韻こそが温浴と同時に湯巡りの最大の楽しみとも言えます。

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6.朝風呂と夜風呂

普段は夜入ることが多いかと思いますが、朝風呂に入る場合もあるかと存じます。
朝と夜では入り方も変えた方が良いです。
人体には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は緊張・興奮等、神経が研ぎ澄まされ覚醒した状態。
副交感神経はリラックスした状態です。
夜寝る前は仕上げはぬるめのお湯にしばらく浸かりリラックスすると良く眠れます。
朝は逆に熱めのお湯にサッと浸かったり、熱いシャワーを浴びると身体が覚醒してシャッキリ目覚めることができます。
シチュエーションに応じて入り方を変えるのが良い湯活の方法ですね。

 

皆さんもご自身に合った湯巡り方法を見つけると、更に湯活が楽しくなりますよ!

※コチラはその他のジャンルの湯活の楽しみ方です。併せてどうぞ↓

yukatsu.hatenablog.com

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*1:足元から湧き出している為、湯が空気に触れずに湯船へ注がれている状態