湯活のススメ

温泉・銭湯・サウナ・岩盤浴等の温浴施設の楽しみ方

湯活の効能|湯活のススメ

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ここまで湯活道について、自己レポート中心に進めて参りましたが、ここで一度、自分なりの湯活の効能を総括しておきたいと思います。一般的に入浴は汗や垢を落とし、体を清浄にする為という考えもありますが、それであれば、水シャワーでも、極論アルコール除菌タオルで拭くだけでも清浄度は確保出来ると思います。ここでは、湯活の心地よさ、湯活によって得られるメリットについて、ちょっと別の角度から掘り下げてみたいと思います。

1.ホメオスタシス

人体には恒常性(ホメオスタシス)があります。これは1859年フランスの医師、生理学者のクロード・ベルナールが提唱した原理で、生体の内部環境は、循環器系等の働きにより外部から独立している(内部環境の固定制)という考え方が基礎となっています。一見難しいですが、平たくいうと体温調節機能等の諸処の生命維持活動が働き、体温や体調を一定の状態に保つ事です。

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やじろべえ

やじろべえが外部要因でゆらゆら揺られても、最終的にはバランスを保つように、熱い時は汗をかいて蒸発により潜熱を奪う事で体温を引き下げ、寒い時は汗腺を閉じて体温が外に逃げないようにする等、健常な人体には常にホメオスタシスが働きます。

人体は実に何重にもこうした恒常性によって生命活動を維持しています。

極端な外部環境の変化や著しく固定された環境下にあっては、ホメオスタシスの恒常性が破壊されて、体調不良や不定愁訴、ひどい場合は病気や自律神経失調症等の精神疾患になると考えられます。

現在の環境は夏は冷房、冬は暖房で守られ、熱いと冷たい物を飲んで、本来人体に備わったホメオスタシスがドンドン弱体化している状況と考えます。低体温症や冷え性、不定愁訴や自律神経失調症に悩む人の増加がこれを物語っています。

湯活は、以下の7つの効能によりこの恒常性を呼び覚まし強化する為の活動というのが、湯活道の基本的な考え方です。特に⑤温冷交互浴により恒常性を目覚めさせる効果を、個人的に「湯活の振り子原理」と名付ける事にします。

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2.免疫力

さて湯活によりホメオスタシスの向上と共に、免疫力も同時に高まります。

古来より「入浴は七病をのぞき、七福を得る」と言われており、「肩まで浸かって100数えなさい!」と教えられた事のある方も多いかと存じますが、これは理にかなった湯活法だったんです。

 ①HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法

40℃~45℃のお湯に3~20分、週に2~3回浸かる事で、体内にHSPが生産されます。入浴時間は湯温やその時々の体調により無理をしない範囲で良いと思います。最初は「熱い!」「3分は無理!」と思っても、続けると徐々に高い湯温、長い時間入れるようになります。また、1回目では無理でも、2回、3回と分けて入る事で、段々長く入れるようになります。これはサウナ等の空風呂でも同じ事が出来ます。

 ②HSPの効能

体内にHSPが生産されると、傷ついた細胞が修復され、アンチエイジング効果が高まります。加えて乳酸を減少させ疲労回復を促進し、代謝を高め免疫細胞を活性化します。つまり湯活でHSPを育てる事が免疫力を高めることに繋がるのです。

 

3.自然治癒力

ホメオスタシス向上>免疫力強化と来て、次は自然治癒力強化です。

湯活によって恒常性を目覚めさせ、HSPを育てると免疫力が高まり、その結果自然治癒力の高い心身を作る事が出来ます。現在は低体温症や冷え性の増加で、免疫力が低下し、未病(不健康状態、病気未満)予備軍が沢山いる状態です。湯活で自然治癒力が高まれば、未病の状態を脱し、健康体に近づく事に繋がると思うのです。

湯活では、最終的には病気を未然に防ぎ、医者要らずの身体を作るのが目的です。

 

4.ポジティブマインド

最後にポジティブマインドです。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」の言葉通り、ホメオスタシスの回復強化>免疫力向上>自然治癒力強化の過程を経て、健全な肉体になると、考え方もポジティブシンキングに変わっていきます。

健康維持には様々な方法がありますが、運動療法や食事療法は、たゆまぬ努力や一定の我慢が必要です。その点、湯活道は、愉しみながらリラックスして健康を得る点で、万人にお進め出来る健康法と考えます。

 

5.お湯と空風呂(サウナ)の効能の違い

これはズバリ、温度差から生まれる交感神経⇔副交感神経の振り幅の違いと言えるでしょう。振り子は小さく振れれば小さい力で戻ろうとし、大きく振れればより大きな力で元に戻ろうとします。

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振り子の振り幅

お湯の場合、仮に熱湯が44℃⇔ぬる湯が39℃だとすると、その差5℃。

サウナの場合、仮にサウナ100℃⇔水風呂15℃だとするとその差85℃。

勿論、お湯と空気の熱伝導率の違い、潜熱による体感温度の違い、熱湯⇔水風呂の場合、外気浴を使用した場合と、バリエーションは様々考えられますが、要は、この振り子の振り幅が大きければ大きい程、「湯活の振り子原理」の働きが大きくなり、自律神経が揺さぶられて、個々の恒常性を呼び覚まし、正常な状態に戻ろうとする過程で、様々な物がリセットされて、いわゆる「ととのう」状態が生まれるのではないかと考えます。

私が湯活を続けてきての感想ですが、誤解を恐れずに言えば、温泉・お風呂等の温浴施設はフィジカル(身体的)回復に効く、サウナはメンタル(精神的)回復に効くというフィーリングです。

サウナは激熱ですし、水風呂は寒冷、一見苦行のように見え、最初はほとんどの人が抵抗を感じますが、サウナにハマる人というのは、自分を含め、この「ととのう」感覚を、理論的にしろ、感覚的にしろ知ってしまったが為に、サウナはより熱さを求めて、下段より上段に、ただでさえ激熱なサウナ室内でロウリュやアウフグース熱波等という一見常軌を逸した行為にチャレンジしたり、グルシン(温度がシングル=10℃未満)と呼ばれる極寒の水風呂に身を投じたくなったり、より振り幅の大きさを求めていくようになるのだと思います。

もしサウナ未体験者や苦手意識のある方で、精神的にネガティブな局面にある方は、是非サウナ⇔水風呂の温冷交互浴にチャレンジしてみて欲しいと思います。

初心者の方のサウナの入り方についても、追ってご紹介しますね。

 

6.まとめ

もちろん既に病気や怪我の方、禁忌症等のある方は、湯活より医療優先と考えます。湯活道は、そういう状態に陥る前の予防策、体質改善策と言えると思います。その意味では、現在医学が西洋医学なら、湯活は漢方に近い考え方と言えます。週に1~3回の湯活を続ける事で、愉しみながら心身の健康を手に入れられれば、最高ではないでしょうか?一部勝手な自己流解釈の点もございますが、皆さんにとって、少しでも参考になる点がありましたら幸いです。

 

湯活で心と体を温めて、不健康な体質やネガティブな気持ちは水に流して(水風呂に沈めてw)、健康で楽しい毎日を送りましょう!