【入浴日】2020/12/27
この日は埼玉方面へ出掛けついでに「中湯(仲屋湯)」さんへ。
※以下「中湯」さんで統一させて頂きます。
中湯さんの最寄はJR深谷駅。ホームから見えるレンガ造りの駅舎が豪華です。
深谷駅の駅舎を表から見るとこんな感じ。何だか東京駅を髣髴とさせますね。
深谷と言えば、大河ドラマに一万円札にと今や時の人、澁澤栄一翁の銅像が南口の駅前ロータリーで乗降客を見守っていらっしゃいました。
さて、中湯さんへは、その南口ロータリーを渡り、左手の通りを直進します。
右手に足利銀行深谷支店を過ぎた先のこちらの路地を左折。
バーバーポールのあるヘアーアロンの先、セットバックしたところが中湯さん。
ここまで駅から5~6分、こじんまりとコンパクトなレトロ銭湯です。
裏手からは夕陽に映える中湯さんの外観と煙突が素敵な佇まいです。
シャワランの暖簾を潜ると中は男女振り分け式入口で男湯は左手側。
東京式と異なり、駄菓子屋のカウンターのような低い番台、中庭に面した脱衣場、ロッカーはなく今も籐籠に衣類や荷物を纏める昭和レトロスタイルです。
※脱衣場内は無人時にご主人にご了承頂き、撮らせて頂きました。
それでは受付を済ませて浴室へ参ります。
コンパクトでシンプルな浴室、カランが仕切り壁側に2つ、センターに3つ向かい合わせで6つ、外壁側に4つ、シャワーは外壁側のカランの内3つだけ。
洗い場に今となっては貴重なケロリンの白桶が置いてありました。
まずは沐浴で全身お清め。カランで桶に湯を溜め、シャワーで頭から洗い流していきますが、このカランとシャワーのお湯が熱い、熱い‼ ずっと浴びているとシャワーだけで茹で上がりそうなので、手早く全身を洗い流します。
全身お清めが済んだところで、いざ!お風呂へライド温♨
浴槽はシンプルに2槽。左手がジェット付きの浅湯、右手は深湯。
カランとシャワーが激熱でしたので、警戒しながらそっと足先から入りましたが、こちらは41~2℃の丁度良い温度。浅湯のジェットで軽くひといきついて、深湯でじっくりお湯を堪能。これはもう、入って頂かないと分からない感覚ではありますが、井戸水薪沸かしの肌触り滑らかなお湯が全身をソフトに包み込んで、心からほっとする心地よさです。
しっかり体も温もった辺りで、最後に熱っついシャワーで軽く流して上がりました。
湯上り後、汗が引くのを待ちながら帰り支度する際、ご主人にお話を伺う事が出来ました。こちらは埼玉県浴場組合HPやLet'sエンジョイ東京さんのような店舗紹介ページには仲屋湯さんとあり、Googleマップ等には中湯さんと出ていて、正式な屋号はどちらですか?とお尋ねしたところ、『保健所への営業許可は「中湯」なので、こちらが正式。ただ、住所地が仲町のせいか、常連さん中心に皆さん、仲屋さん、仲屋さんと呼ぶので、浴場組合への届出は仲屋湯のままになって、直してなかったな。』との事。ですので、正式名称は中湯さんなのです。
また、井戸水薪沸かしのお湯が素晴らしかったですとお伝えすると、『冬場(12~3月位)は荒川の水位が下がって井戸が渇水する為、水道水に切り替える。今はまだギリギリ井戸水。』との事。そうなんですね、井戸も自然の天然水ですから、枯れる事や季節変動もあるんですね。今回はギリギリ井戸水の季節に入れてラッキーでした。
そういえば、埼玉の銭湯の常連さんから「埼玉県も銭湯がドンドン減って、今じゃ40軒程」と伺っていたので、「埼玉も随分銭湯が少なくなりましたね」と話し掛けると、ご主人より『そう、深谷市じゃウチ1軒。熊谷で2軒だけになっちゃった。』との事。埼玉県内にはここから北には銭湯は残っていない為、現存ではこちらが埼玉最北端の銭湯となるそうです。「また機会があったらお邪魔します」とご主人に別れを告げ、中湯さんを後に。シャワランの暖簾を潜ると深谷の町に沈む夕陽が綺麗でした。
来た時の一本内側の通りを進むと、深谷市に銭湯は1軒と伺っていたのですが、突然煙突に出くわして一枚。どうやら閉店銭湯でも無さそうです。
帰宅してから調べると、こちらは「東白菊」という日本酒を製造する藤橋藤三郎商店という造り酒屋。こういう風情ある煙突が深谷市にはまだ沢山あるようです。
深谷の駅前に着く頃には、すっかり夜の帳が下りて駅前広場がイルミネーションでライトアップされていました。
本日も良い湯をありが湯ございました。
深谷方面へお立ち寄りの際は是非♪
※浴室内は撮影不可の為、Let'sエンジョイ東京より拝借したものです。