湯活のススメ

温泉・銭湯・サウナ・岩盤浴等の温浴施設の楽しみ方

閉店銭湯|大黒湯|北千住|キングオブ銭湯|湯活レポート(銭湯編)vol.320

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【閉店日】2021/6/30
【所在地】東京都足立区千住寿町32−6

Google マップ

【入浴日】2021/6/4:さよならキングオブ銭湯

この日は閉店の一報を受け「キングオブ銭湯」と呼ばれた大黒湯さんへ。

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キングオブ銭湯には諸説あり、一説には江戸東京たてもの園に足立区千住元町から移築された元銭湯「子宝湯」を指すものとの話もありますが、世間的には北千住の「大黒湯」をキングオブ銭湯と認識されていらっしゃる方が多いかと存じます。

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この日はOPEN前に到着したので、入口シャッターのペンキ絵も撮影しました。

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それでは見納めに撮影した大黒湯さんの風景をUPして参ります。

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唐破風・千鳥破風の格子・軒下の梁

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鳳凰の懸魚と屋号に冠された守り神 大黒天

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唐破風の右手に鎮座する恵比寿天

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唐破風の左手に鎮座する布袋尊

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弓射ると湯に入るを掛けた軒下飾り

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大黒湯の旧正面玄関跡

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1982年(約40年前)当時の大黒湯正面玄関

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建物裏手から見上げた大黒湯の煙突

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開店前の「ぬ」板(湯を抜いた)

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開店後の「わ」板(湯が沸いた)

大黒湯さんの歴史と入浴客を見守り続けた大黒湯さんの佇まいです。
それでは開店したので中へお邪魔します。
6/30に閉店が決まっていますが、暖簾には7/4の都議選告知の青暖簾。

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閉店を知ってか常連さんに混じって、馴染の銭湯ファンの顔もチラホラ。
それではフロントで受付を済ませ、中へお邪魔します。
脱衣場上にはあの日見た男女浴室の印の拍子木飾り。

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閉店の案内は浴室扉にのみ貼ってありました。
建物・設備の老朽化と店主の健康上の理由との事。設備は全て動いていた為、一番は耐震問題かも。まずはこれまでのご営業に感謝して最後のお湯を頂きます。

浴室内の詳細は、下の「2020/10/2:北千住銭湯散歩③」をご参照ください。
この日は内湯がレモングラス&レモンピールの湯で生薬を詰めた袋が湯船に浮かんで仄かに爽やかな薬湯の香りが漂っていました。
サウナは29(火)、30(水)のみ再開との事で、この日は内湯、露天と良く冷えた水風呂を2~3度温冷交互浴で巡って、大黒湯さんの歴史に想いを馳せながら、しみじみと汗が引くまで露天外気浴を満喫。静かに浴室に別れを告げ、最後は女将さんに感謝の言葉をお伝えして大黒湯さんを後にしました。

 

大黒湯さんの閉店は2021/6/30。
昭和2年の創業で、今年で94年間の歴史に幕を下ろされます。
現在月曜定休で営業時間は15:00~23:00(最終入場22:30)との事。
残りの営業日は2日間ですが、これからお別れ入浴される方は、大勢で押しかけず、空いている時間を狙って黙浴で短時間入湯を心掛けましょう。
何はともあれ、これまでのご営業に感謝♨♨

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【入浴日】2020/10/2:北千住銭湯散歩③

 この日北千住銭湯散歩の3湯目は、庶民文化研究所所長で銭湯に関する著書も多い町田忍氏が名づけ、多くの銭湯ファンが「キングオブ銭湯」と呼ぶ「大黒湯」さん!
コロナが無ければ今年4月第100回TOKYO銭湯交流会で行く予定でしたが、無期限保留となっておりました。交流会再開の際にと考え、これまで温存してきましたが、この日北千住銭湯散歩途中に真横を通り、これはもう行くしかないという事で、この日最後の3湯目にお邪魔させて頂く事にしました。私の場合は、この日2湯目のニコニコ湯さんから駅に戻る途中の道すがらですが、駅からの路程もUPしておきます。
※途中までの路程は1湯目の「金の湯」さんのレポートをご参照ください。

大黒湯さんへは、JR北千住駅西口のサンロード商店街へ。

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サンロード商店街を抜け日光街道を渡って更に直進する事、駅から約10分程で右手に大黒湯さんの威容が見えて来ます。

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軒下には鳳凰の懸魚*1と屋号にその名を冠された大黒様。

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大黒様は良く見ると雲形彫刻に掘られた打ち出の小槌の中に鎮座しています。

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建物横の路地からは、屋号が書かれた煙突も見られます。

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それでは暖簾を潜り中へお邪魔します。

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現在はフロント式に改装され、広くなったロビーの奥には小上がりもあり、寛げる空間となっています。

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それでは受付を済ませ、浴室へ。
男湯は拍子木一本、女湯は拍子木二本。おかみさんが、江戸時代の風呂屋は、背流しの三助さんを呼ぶ際、拍子木で知らせたそうで、一回鳴らせば男湯、二回鳴らせば女湯という決まりがあり、その名残を浴室入口飾りとしていると教えてくれました。

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浴室の暖簾を潜ると脱衣所の上は伝統的な折り上げ格天井。各枡に豪華な花鳥風月の紋様が施されており、こういう所に贅を尽くしている辺りもキングオブ銭湯と言われる所以なのでしょう。

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浴室に入ると正面には雄大な富士山のペンキ絵。西伊豆2018.12.17丸山清人、勝美麻衣と雅号の書かれた今となっては希少な銭湯美術です
※写真は店舗紹介ページからの拝借で銭湯絵師 中島盛夫氏の作ですので、描き変えられたようです。

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広いメインバスは、左手にジェット座風呂とジェット寝風呂がついており、こちらで軽く血行促進してから露天岩風呂へ。露天風呂では石燈籠のある中庭を眺めながらじっくり温まります。

 

一通り温まったところでサウナ室へもお邪魔しました。
大黒湯さんのサウナはガス遠赤外線ヒーターで本日のコンディションは95℃。
この日最後のサウナ、既に先の2湯で新陳代謝が上がっているので心地よく発汗を楽しみます。発汗後はサウナ室前の水風呂へ。
水風呂は18℃でバイブラが効いて火照った体を爽快にクーリングしてくれます。
本日は以下3セットで心地よく❝ととのう❞事が出来ました。

・サウナ10分⇒水風呂1.5分⇒休憩3分
・サウナ10分⇒水風呂1.5分⇒休憩5分

仕上げは露天外気浴からそのまま露天岩風呂へ潜り込み、適温の湯と初秋の外気を楽しみながら至福のバスタイムを過ごし、この日の湯活をフィニッシュ。

 

湯上り後は縁側で外気浴をしながら池の鯉を鑑賞させて頂きました。

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帰りはすっかり夜の帳が下りていて、看板に灯りが灯る大黒湯さん。

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キングオブ銭湯の雄姿を眺めつつ、ゆっくり駅方向へ歩みを進めます。

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本日も良い湯、良きサウナをありが湯ございました。
今回、奇しくも予習させて頂きましたが、早くコロナが落ち着いて第100回TOKYO銭湯交流会が再開される事を心待ちにしております。交流会のお仲間の方で未訪問の方はこちらで予習頂いて、来る日に再会いたしましょう。その際は多くのメンバーが集まると良いですね。ご興味のある方はTOKYO銭湯交流会のSNS等もチェックしてみてください。
その他の方もお近くへお越しの際は是非♪

※脱衣場、浴室内は撮影不可の為、店舗紹介ページより拝借しております。
※コチラはその他の北千住銭湯散歩のレポートです↓

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*1:火除けのまじない彫刻