【入浴日】2020/8/7
黄金湯「施設見学撮影会」
5月中旬、休業工事中の「黄金湯」さんよりリニューアルOPENに向けてクラウドファウンディングを始められるとの情報が入り、滅多にない機会ですので、OPEN前「施設見学撮影会」に応募させて頂きました。
「施設見学撮影会」には、見学撮影会の他に1ドリンクサービス、姉妹店 押上「大黒湯」さんのサウナ・貸しタオル付入浴券がセットになっており、お得感があります。
さて、私は2020/8/7 17:00~「施設見学撮影会」へお邪魔してみました。
黄金湯さんへは、JR・東京メトロ錦糸町北口から参ります。
四ツ目通りを東京スカイツリー方面へ直進。
途中右手に錦糸公園や錦糸町北口のシンボル「オリナス」を通過します。
駅から徒歩10分弱、左折すると路地左手に黄金湯さんの看板が見えて来ます。
黄金湯リニューアルへの想い
黄金湯は昭和7(1932)年創業、前オーナーより、押上「大黒湯」の新保様が引き継がれた際は、配管等主要設備はボロボロ、集客も厳しく、今回、銭湯文化を後世に残すべく一大決心してリニューアルされたとの事。こんなご主人ですから、銭湯に対するこだわりも並外れています。その想いが伝わるのか、クラウドファウンディングも反響を呼び、当初予定を超えてセカンドチャレンジの金額もクリアする等、コロナ禍のクラウドファウンディングとしては異例の成功と言えたのではないかと思います。
その想いに応えるべく集った建築家、アーティストも半端ない方々。
・総合プロデューサー:高橋理子
~オリジナルブランド「HIROCOLEDGE」でアートとファッションの融合を目指す。ミニマルでソリッドなデザインが特徴的なクリエイティブディレクター
・内装設計:長坂常
~スキーマー建築計画代表。代表作:BLUE BOTTLE COFFEE、桑原商店、HAY等
・銭湯絵巻図:ほしよりこ
~漫画家。代表作「きょうの猫村さん」「逢沢りく」で第19回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。
・暖簾デザイン:田中偉一郎
~美術家、クリエイティブディレクター。「このせかいのほとんどは意味が無い。その"ほとんど"を扱う」をテーマーに活動を続ける現在美術作家。
それでは、銭湯主の想いと類まれなるアーティストの熱が詰まった新生「黄金湯」を紹介して参ります。見学撮影会という事で、普段撮れないアングルや角度からも撮影させて頂きましたので、新生「黄金湯」さんの世界をお楽しみください。
フロント・入口周り
玄関を入ると左手に券売機。コチラで入浴券を求めるスタイル。見学撮影会当時はまだ未設定でした。このボタンにどんなメニューが入るか想像するだけでワクワクw
下足入れは元からあったものを流用。面白いのは、脱衣場の大きな暖簾の裏地が見えていますが、繋げてみると「お~い」。これは銭湯で入浴後先に上がったカップルや家族が、相手方に「お~い、上がったぞ~」と呼びかける風景をイメージしたものだそうで、特大暖簾が脱衣室の形状に合わせて縫製されるこだわりっぷり。
こちらは男湯側の「お~」
そしてこちらが女湯脱衣場出口の「い」
OPENスタイルのフロントは、手前にビアサーバ、奥にDJブースでクラブかカフェと見紛うばかり。
こちらで流すBGMはフロントロビー、脱衣場、サウナ室でも流れるそうで、スピーカーも音響設計で計算された特殊仕様との事。リニューアル前の黄金湯さんと言えば、レコード市でも有名で、自宅に埋没したレコードを寄付すれば、こちらでヘビーローテーションして頂けるかも(銭湯・サウナという場所柄、ヘビメタ系やデスメタ系はかけ辛いですねとの事でしたので、このBGMでととのいたいという1枚が吉かも)。
フロント上のクリアなオブジェはタオル棚を兼ねており機能的。
ロビー脇の観葉植物も「しゃれおつ」ですw
男湯
それでは男湯から見て参ります。
正面に見えるペンキ絵は「今日の猫村さん」の作者ほしよりこさんによるもの。
当初富士山を描いてもらうつもりが、横に細長いデザインを活かして黄金湯を取り巻く人生絵巻に。センター富士を挟んで、男児が誕生して遊びを覚え、魚屋になって成長してゆくまで。女湯サイドは成長した男子が女性と出会い、結婚し子供を授かり、新しい家庭が築かれるまでのストーリー仕立て。
それではお風呂を見てみます。黄金湯さんのお湯はかけ流しの井戸水を電気分解してALL軟水化されています。軟水化に使用する食塩は2日で10㎏程との事。
浴室入口にはレインシャワー。ハンドシャワーも薄型でお洒落です。
メインバスはあつ湯(43℃)、薬湯(40℃)、炭酸泉(37℃)の3温度帯で白湯と2種の変わり湯を用意するお湯へのこだわりが感じられる仕様。
内湯には水風呂もあり、温冷交互浴が楽しめます。
そして、新生「黄金湯」さんの最大の特徴サウナエリアへ。
サウナエリアは温浴エリアと打って変わってコンクリート打ちっぱなしのデザイン。サウナ室前の柱にはタオル掛けが用意されています。
そしてコチラが男湯側の麦飯石オートロウリュサウナ❕
本格的なサウナストーン使用のストーブで、壁面は全面麦飯石、木材はヒバ材を仕様するという贅沢仕様。
輻射熱の凄さを想像するだけで汗が出て来ますw
そしてサウナ室前の水風呂がコチラ。
デカいし、深い(水深90㎝)‼夜は水面が天井に揺らめくエモーショナルな仕様。
反対の露天側から見たらこんな景色です。
サウナ・露天ゾーンには、「きょうの猫村さん」のほしよりこさんの隠し絵が随所にあるので、こちらも探してみて欲しいですね。
そしてクールダウン後の外気浴スペースがコチラ。
見ただけでととのいそう、いや既にととのってますwww
そして休憩椅子から見える黄金湯さんの煙突。
これは来なければ!煙突を見上げながら決意を新たにしたのでした。
女湯
さて、この日は「施設見学撮影会」。当然女湯もルポします。
脱衣場はこんな感じ。内装デザインは2m25㎝から下は木や明るい色調のタイルで温かみを出し、2m25㎝から上はコンクリート打ちっぱなしでアクセントをつけ、あえて天井を貼らずに高さを出したそうです。ロビー側との仕切りを天井まで貼らずに暖簾とした事で圧迫感をなくし、動きを出して遊び心を感じさせます。
また、ドライヤーも無料貸出のようで、立ち寄り湯には嬉しいですね。
浴室内は、男湯とシンメトリーのレイアウト。
こちらもレインシャワー完備です。
メインバスは男湯同様、3種の温度帯の3種のお湯がお出迎え。
そして黄金湯さん最大の特徴、もう一つのセルフロウリュサウナがコチラ。
本格的なサウナストーンのストーブ横にアロマ水を満たす桶とラドル*1。
都内銭湯でセルフロウリュ出来る施設は、ここ以外に以下2つしか知りません。
この日の見学撮影会には、漫画家さん、雑誌編集者等、業界関係者も多数いらっしゃっていましたが、その中にドラマ「サ道」第2話で紹介された錦糸町「ニューウィング」の吉田支配人もいらっしゃり、『これはヤバいね!』と頻りに感心されていらっしゃいましたので、マジでヤバいんだと思います。このスペースであのストーブの時点でかなりホットな仕様の筈なので、アロマ水は時折ラドル半分位が適量かも。調子に乗って2杯~3杯と掛けると常人には耐えられない灼熱空間になりそうですw
そして、セルフロウリュサウナ発汗後に迎え撃つのがコチラの軟水水風呂。
あ~セルフロウリュサウナも是非入ってみたい!と思っていたら、店主の新保様より、「実は水曜のみ男女浴室入替を考えている」との事。これは両方来ねば!
女性サウナーの方にも麦飯石オートロウリュサウナとエモーショナル水風呂に入るチャンスがあるとの事で、これは嬉しい配慮ですね。
施設見学撮影会の後、押上「大黒湯」さんへお邪魔し、帰りに夜景をパチリ。
黄金湯さんのリニューアルOPENは2020/8/22(土)。営業時間は何とAM10:00~24:30を検討中との事。営業時間の幅が広いのも助かります。
さて、都内はGo to~も帰省も自粛が呼び掛けられる中、銭湯ファン、サウナファンのみならず、もっぱら家風呂という方にも、「黄金湯」で夏場の汗を流し、湯上り後の一杯のビアの至福体験はいかがでしょうか?
*1:アロマ水を掬う柄杓