【入浴日】2019/6/2
「稲荷湯」さんのある板橋は、元々中山道の宿場町として栄えた街で、JR板橋駅東口を出ると駅前に新鮮組隊長「近藤勇墓所」が在ります。
この脇の目抜き通りを真っ直ぐ行って左手に路地を入ったところに「稲荷湯」さんがあります。稲荷湯さんの歴史は古く、大正初期にこの地で創業し、現在の宮造りの建造物は昭和5年に建てられたものだそうです。
東京銭湯HPによると、この伝統的な佇まいが絵になったのか、「稲荷湯」さんは映画「テルマエ・ロマエ」の撮影現場にも使われたそうです。
入口には「わ」の文字が。何かな?と思って中に入り振り向くと説明がw
板に「わ」で沸いた=OPEN、板に「ぬ」で(湯を)抜いた=CLOSEだそうです。確かに板の裏には大きな「ぬ」の文字がw こんなところにも江戸の粋が感じられますね。
玄関正面では季節の花あじさいが入浴客を出迎え、その上に本日の湯「よもぎエキス」の看板が掛かっていました。
早速お風呂をいただくことにします。
正面には銭湯絵師 丸山清人氏、勝海麻衣氏合作による河口湖から臨む富士山のペンキ絵が入浴客を出迎えます。銭湯界では勝海氏の作画を巡ってちょっと残念なニュースもありましたが、この銭湯絵自体は雄大で清々しく、とても素晴らしいものです。
こちらの桶は伝統的な木桶です。
いつも通り沐浴して、ぬる湯から順番にいただきます。
<内湯>奥からあつ湯(深湯)、中温風呂、ぬる湯(中温風呂とぬる湯は浅湯)
ぬる湯は37.5~38.5℃の不感温帯でシルクバスになっており、押ボタン式ジェットが付いています。中温風呂は41℃と適温で、本日の湯は「よもぎエキス」でした。
あつ湯は46℃と江戸前のあつ湯銭湯の中でも屈指の熱さです!!
肌がピリピリ来る程の熱湯ですが、ゆっくり肩まで浸かって30秒ほど温まります。
その後ぬる湯の不感温帯に入ると、ちょっとした水風呂気分で、サウナとは違った温冷交互浴が楽しめます。2~3度と温冷交互浴を楽しんで、最後はシャワーで軽く流して上がります。
湯上りに脱衣所の外の縁側のところに坪庭と金魚池があり、かわいい噴水が出ていました。余りにかわいらしい風情のある光景に、おかみさんにお断りして特別に1枚写真を撮らせてもらいました。
本日もいい湯をありがとうございました!
ちなみにこちらの入母屋造りの玄関を、その上の破風屋根の二重構造等の特徴的な意匠と地域的、文化的背景が考慮され、国より登録有形文化財に指定された他、モニュメント財団により、2020 年版「文化遺産ウォッチ」に選定されたそうです。
北区の稲荷湯が国の登録有形文化財に指定 都内の銭湯では2軒目 | 【公式】東京銭湯/東京都浴場組合
建築芸術としても一見の価値ありです。お近くへお立ち寄りの際は是非♪
※浴室内は撮影不可の為、稲荷湯公式Twiitterより転載しております。
※ちなみにコチラはもう一つの国指定登録有形文化財銭湯「燕湯」のレポートです。併せてどうぞ↓
※尚、コチラは姉妹店の大田区石川台の「稲荷湯」さん。屋号も一緒です!↓